aoishiの備忘録

備忘録

ThinkPad X1 Carbon 2017のFedora26をFedora27にアップグレード

はじめに

ThinkPad X1 Carbon 2017にインストールしていたFedora26をFedora27にアップグレードしてみました。

基本的には下記の公式ページのアップグレード手順に従って勧めましたが、やったことをまとめておきます。

https://fedoraproject.org/wiki/DNF_system_upgrade

環境

手順

バックアップ取得

万が一の場合に備えてバックアップを取得します。

  • プログラムコードはGithubとかに退避する
  • その他ファイルはGoogleドライブ、Dropboxに退避する

起動できなくなった場合は、Liveイメージで起動して/homeディレクトリ配下を回収すればいいかな〜ぐらいで思っているので程々にバックアップしておきます。

私の場合はAnsibleでセットアップ手順をコード化してGithubリポジトリ管理しているので、最悪の場合再セットアップできるだろう!ぐらいの気持ちでやっています。

Fedora27のLiveイメージDVDを作成する

アップグレードする前に、Fedora27のLiveイメージで起動して動作確認するためにLiveイメージDVDを作成します。

下記からFedora27 64bitのLiveイメージをダウンロードします。

getfedora.org

ダウンロードできたら、ISOイメージをDVDに書き込みます。 今回はCLIでやってみます。

まず、wodimコマンドをインストールします。

$ sudo dnf install wodim

インストールしたwodimコマンドで、現在認識されているドライブを表示させます。 事前にCD/DVDドライブを接続して、空のディスクを挿入しておいてください。

$ wodim --devices
wodim: Overview of accessible drives (1 found) :
-------------------------------------------------------------------------
 0  dev='/dev/sr0'  rwrw-- : 'HL-DT-ST' 'DVD-RAM GSA-H55N'
-------------------------------------------------------------------------

上記で確認できたドライブをdevオプションで指定して、ダウンロードしたISOイメージを書き込みます。

$ wodim -v dev=/dev/sr0 speed=4 -eject ~/Downloads/Fedora-Workstation-Live-x86_64-27-1.6.iso

私の環境では6分ぐらいで書き込み完了しました。 なお、-ejectオプションをつけると書き込み完了時に自動的にドライブからDVDが取り出されます。

Fedora27のLiveイメージで起動して動作確認する

先ほど作成したFedora27のLiveイメージDVDで、アップグレード対象のPCを起動します。 誤って、クリーンインストールしてしまわないよう注意してください。

下記の観点で簡単に動作確認します。

Fedora26でできていたことは問題なくできて、ThinkPadの売りである赤ポチやトラックパッドの動作も変わりなくスムーズでしたので安心しました。

Fedora26では、トラックパッドでのピンチアウト/インによる拡大/縮小ができなかったので、アップグレードによってできるようになったかなと期待しましたが、こちらは相変わらずダメでした。

アップグレードを進めるために、PCを再起動してFedora26で起動させておきます。

Fedora27へのアップグレード

まず、現在のバージョンでアップデート可能なパッケージを適用します。

$ sudo dnf upgrade --refresh
Copr repo for PyCharm owned by phracek                                                                  60 kB/s |  49 kB     00:00    
メタデータの期限切れの確認は、0:00:00 時間前の 2017年11月25日 15時13分11秒 に実施しました。
依存性が解決されました。
行うべき処理がありません。
完了しました!

Kernelに更新があった場合は、ここで一度再起動したほうが良いようです。 今回は特に更新がなかったため、再起動していません。

次に、dnf-plugin-system-upgradeパッケージをインストールします。

$ sudo dnf install dnf-plugin-system-upgrade
メタデータの期限切れの確認は、0:02:57 時間前の 2017年11月25日 15時13分11秒 に実施しました。
依存性が解決されました。
=======================================================================================================================================
 パッケージ                                        アーキテクチャ         バージョン                     リポジトリ              サイズ
=======================================================================================================================================
インストール:
 python3-dnf-plugin-system-upgrade                 noarch                 2.0.3-1.fc26                   updates                  34 k
依存関係のインストール:
 python3-dnf-plugins-extras-common                 noarch                 2.0.3-1.fc26                   updates                  58 k

トランザクションの要約
=======================================================================================================================================
インストール  2 パッケージ

実際にはインストールされるパッケージ名が違うようですね。 あまり気にせず進みます。

Fedora27に更新するためのパッケージをダウンロードします。

$ sudo dnf system-upgrade download --refresh --releasever=27

Fedora27へアップグレードします。 これにより、直ちにOSが再起動されてアップグレードが開始されます。

$ sudo dnf system-upgrade reboot

下記は、アップグレード後のバージョン確認結果です。

f:id:akihisa_oishi:20171125205026p:plain

Fedora26からFedora27にアップグレードして気づいた点

ibus-mozcで日本語入力ができなくなった

日本語入力にibus-mozcを使っていましたが、アップグレード後に日本語入力ができなくなりました。 半角/全角で切り替えても日本語入力できない状態です。

とりあえず、ibus-mozc関係のセットアップをAnsible化していたのでdry-runすることにしました。 Ansibleのコードは下記です。

- name: install ibus-mozc
  dnf:
    name: ibus-mozc
    state: present

- name: deploy /usr/share/ibus/component/mozc.xml
  template:
    src: usr/share/ibus/component/mozc.xml.j2
    dest: /usr/share/ibus/component/mozc.xml

下記がdry-runの結果です。layoutがjp -> defaultに変わってしまっているため、Fedora27へのアップグレードにより設定ファイルが初期状態に戻ってしまっているようでした。

TASK [deploy /usr/share/ibus/component/mozc.xml] *************************************************************************************************************
--- before: /usr/share/ibus/component/mozc.xml
+++ after: /tmp/tmpk3mzLv/mozc.xml.j2
@@ -16,7 +16,7 @@
   <icon_prop_key>InputMode</icon_prop_key>
   <icon>/usr/share/ibus-mozc/product_icon.png</icon>
   <setup>/usr/libexec/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog</setup>
-  <layout>default</layout>
+  <layout>jp</layout>
   <name>mozc-jp</name>
   <longname>Mozc</longname>
 </engine>

changed: [localhost]

Ansibleを実行してファイルを書き換えて再起動(再ログインだけでも良いかも)したところ、無事日本語入力できるようになりました。

ThinkPad X1 CarbonのQWHD解像度が使いやすくなった

Fedora26でThinkPad X1 CarbonのWQHD解像度を有効にすると、ウィンドウのタイトルやGNOME Tweak Toolなど一部のアプリケーションの文字が極端に大きくなり、全体的にバランスが悪かったためFullHD解像度を使っていました。

Fedora27へのアップグレードに再度WQHD解像度を試したところ、文字サイズの問題が解消されて全体的なバランスが良くなったため現在は有効化して使っています。

まとめ

Fedora26からFedora27へのアップグレード手順をまとめてみました。

こんなところでも、Ansibleでセットアップ手順をコード化していたことが役立ってしまったので、コード化重要だなと改めて感じました。

これまではクリーンインストールしたり、さくっとアップグレードしてしまって記録に残さないことが多かったで、今回まとめた内容が次回のアップグレードに活かせたら良いなと思います。